収入が気になる!ミュージシャンで食べていくには

収入が気になる!ミュージシャンで食べていくには

◆ミュージシャンの年収って?

商業ベースに乗ったような売れているミュージシャンだとしても、CDが売れなければ収入は減っていく一方。
常に売れ続ける曲を書くのは非常に難しく、情報が早い現代では売れなかったらすぐに「終わった」とか言われてしまうので、そういった雑音にも耐えなければならない。
そもそもクリエイターというのは人気者になればなるほどアンチも増えるものだから、気苦労は絶えないね。

ちなみにほとんどのミュージシャンはメジャーとして会社と契約している。
まず「レコード会社(レーベル)」と契約している場合。
楽曲の権利をレコード会社に渡して、CDなどが売れた印税がそのまま収入となるケースだね。
その割合は大体CDの定価に対して1~3%。その割合は人気度やレーベルによって変わってくる。

一方「プロダクション」と契約している場合は、スケジュール管理などのマネージネント業務まで請け負ってくれる。
ミュージシャンとして得た収入の2割から3割を、プロダクションに支払う契約が中心だけれど、新人の頃は収入が不安定になりやすいので、稼いだ金額を先にプロダクションに預けて、そこからミュージシャン側に固定給が支給してもらうというやり方もある。

「音楽出版社」はミュージシャンの楽曲と著作権が所属している会社。レコード会社は著作権を持つことができないので、すべてのレコード会社は楽曲を使用するときに著作権料を支払い、手数料を引いた金額がミュージシャンに支払われるという寸法だね。これはミュージシャン自身が作詞作曲や編曲を行っている場合によく用いられるケースだ。

その他には楽曲を作って演奏することの他に、イベントに出て出演料を稼いだり、音楽雑誌の連載で原稿料を稼ぐといった方法もあるけれど、これらは必要経費を引くとなかなか大きな収入源にはなりにくい。
ミュージシャンで生計を立てるのはやっぱり難しいということだね。

楽器はギター一つ取っても数十万円から数百万円もする物もあり、定期的にメンテナンスも必要。
練習する音楽スタジオの使用料も一日借り切ったら数万円かかるし、機材に凝ったら莫大なお金がかかってしまうことも珍しくはない。
ミュージシャンは音作りにこだわりを持つ人が多いから、どんどん機材へ投資して欲しい音を追い求めてしまうこともある。
だから数曲売れて一時的に収入が安定したとしても、その人気を保ち続けることは難しいんだね。

収入を得るためには、とにかく仕事をこなすのが一番。
楽曲をアイドルに提供したり、コマーシャル出演や、ラジオのパーソナリティ、学園祭ライブを行うなど単発の仕事を大量にこな時期は間違いなくあると言っていいかもしれない。

コンサートで観客が呼べるなら大きめな収入源となるけれど、演出にこだわりすぎて赤字になるケースもたまにあるんだとか。
もちろん終了後のDVDなどまで見据えることができるなら、長い目で見たときに収入源になると言えるね。

◆ミュージシャンとして食べていくために

○一般的なミュージシャンの給与形態
プロのミュージシャンの収入は一般的に、レコード会社、プロダクション、音楽出版社と契約を行うことで、お金が発生する。
まずレコード会社に対しては、歌を録音する権利を引き換えに、CDの販売枚数によって発生する印税を貰う。
印税の相場は作詞作曲をしている場合、CDの定価のおおよそ10%ほどとされているよ。
(例:\1,000×100万枚×10%=\1億)

その次はプロダクション。
別称事務所となり、スケジュールを管理してもらえるのが嬉しいね。
ミュージシャンは印税を含む全ての収入のうち、20~30%をこのプロダクションへ管理手数料として支払う契約を結ぶのが一般的だ。
もちろんこの数字は固定ではなく、収入が安定しない新人の場合はプロダクションが全ての収入を預かって、そこから固定給として毎月支給してもらえるケースもある。 そして最後に音楽出版社。
ここは楽曲とその著作権を管理する会社のこと。
レコード会社が楽曲を使用するときには音楽出版社に著作権料を支払い、そこからさらに手数料を引いた金額がミュージシャンにの収入となるわけだね。
それ以外にもテレビやイベントへ出演費など多くの収入源があるけれど、必要経費としての出費もなかなか多く、念願のプロになれたとしても音楽だけで生計を立てるのはほんの一握りなんだ。

○つまり、儲からない?
一般的な職業から見れば、儲からない職業と言える。
イメージがあるかもしれないけれど、ミュージシャンはシンプルに、売れれば儲かり、売れなければ儲からない。
1曲ヒットして大金を手にしたとしても、それを継続するのが難しいんだね。
また最近では違法ネット配信なども歯止めが効かない状態で、CDの売上がかなり落ちてきているよね。
新人との入れ替わりも早く、非常に競争が激しい世界だ。
アルバイトの収入を中心にしながらなんとか音楽と生活を送れているミュージシャンがほとんどだ。
でも音楽で人に夢や影響を与える事を仕事と出来るのは、ミュージシャンの他にない。
厳しいことをいうようだけれど、儲からないことで悩むようならば、ミュージシャン以外の道を選ぶべきだと思う。

○副業としての道
前述の通り、有名なミュージシャンとなり、生活に困らないほどの収入を得られるのは、現在活動中のほんの一握りの層だけ。
ミュージシャンの年収には上から下まで非常に大きな差があるし、もちろん上に行くほど少数となる。
何度も言うけれど、音楽だけで生計を立てていくのは決して容易なことではないんだ。
多くの人が音楽活動を行う傍らで、アルバイトを含む別の仕事に就いているよ。
日本の全ての職業の中でも、兼業や副業として働く人が比較的多いのがミュージシャンの実態だ。

兼業の場合は派遣会社に登録して、一般企業で事務職などに就く人、また飲食店などでアルバイトをするなど、それぞれに合った手段で収入を得ているようだ。 平日はサラリーマンとして働き、休日は音楽活動に精を出すような副業としての形ももちろんアリ。
その場合は勤める会社によって副業は禁止の場合もあるので、必ず確認をしておかないとだけどね。

また兼業や副業以外も音楽に関わりたいという場合は、音楽教室の講師やスタジオの経営、またレストランやホテルでの演奏といった働き口もある。
生き方は人それぞれ理想があり正解はない。
趣味として割り切っている人以外は、いつの日かミュージシャンとしてデビューを目指しながら日々努力を続けているんだ。
そして音楽活動が波に乗って来た頃を見計らって、専業へと転換していくんだね。

○インディーズという道
音楽業界に触れていると、インディーズという言葉を聞くことは少なくないはず。
インディーズというのは、業界に関わらず大手に属さず自由な発信を求める音楽家たち。
いわゆるメジャーの対義語をマイナーと称すけれど、この場合は有名の度合いはそれほど関係がない。
インディーズとはアマチュアの延長線上と勘違いしている方もいるけれど、それは大きな間違い。
所属しているレコード会社のレーベルが大手とされるか中小とされているか差だけなので、実力にも知名度にも関係はないよ。
メジャーもインディーズも音楽でお金を稼ぐプロに変わりはないからね。
主な違いはプロモーションの効果と売上の取り分。
インディーズはメジャーに比べてプロモーションは小規模だけれど、取り分は最大で10倍ほど変わることもある。
インディーズでデビューした後にメジャーなレーベルへ移る人が多いけれど、最近では自由度の高いインディーズで活動を続ける人たちも増加傾向にあるんだね。

アルバイトという道
ミュージシャンとしてのスキルを生かしたアルバイトも、世の中にはたくさんある。
たとえば、レストランやホテル、結婚式場、ジャズバーなどでの演奏だ。
このような仕事をしたい場合、演奏者の派遣業務を行っている音楽事務所などに登録することで、仕事をあっ旋してもらうことができる。
実績を積んで知名度が上がればそのままミュージシャンデビューも夢じゃないかも……?
そのほか、音楽スクールの講師を勤めたり、個人的に生徒を集めて音楽教室を開く人もいるね。
アルバイトとはいえ、人前で演奏するとなればそれなりのテクニックや表現力を求められるもの。でももちろん実力さえあれば、好きな音楽に関われるアルバイトを見つけることはさほど難しくないはずだよ。