ソムリエになるには

高校生がソムリエになるにあたって必ず取得しなければならない資格はありません。本来は国家資格が必要になる職業ですが、それはワインの本場であるフランスで働く際に必要になるだけであって日本では国家資格に認定されていません。しかし、日本ソムリエ協会と全日本ソムリエ連盟が認定している民間資格であるソムリエ資格があります。

基本的に資格がなくても十分に働くことが出来ますが、スムーズに働く為には資格を取得しておいた方がスキルの証明にもなるのでおすすめです。ここで注意しておきたいのは、日本ソムリエ協会と全日本ソムリエ連盟とで取得出来る資格が違うということです。

ワインエキスパートやワインコーディネーターなど様々な資格があるので、ソムリエとして活動するにあたってどんな資格を取得しておくべきなのかを見極める必要があるでしょう。全ての資格の中で最も一般的なのは、20歳以上であれば誰でも取得出来るワインエキスパートの資格です。

ただし、日本ソムリエ協会が認定しているソムリエ自体の資格は飲食業で一定以上の実務経験を積んでいないと資格試験が受験出来ないので注意が必要です。なお、全日本ソムリエ連盟が認定するソムリエの資格だと、実務経験が必要ないので実質的に誰でもソムリエの資格が取得出来ます。

また、ソムリエの資格を取得しても必ず就職出来るとは限りません。そもそも小さなレストランなどではソムリエが必要ないことがほとんどであり、経験に基づく様々な知識によって仕事がこなせる職業なのです。いきなりソムリエとして働くのではなく、接客業を通してソムリエとしての知識や経験を積むことが最優先となります。

ソムリエの主な仕事は、お客の好みに合わせて最適なワインを提供することです。

この職業の難しいところは、料理やお客の好みによって最適なワインは違うということです。いかにワインがお客の好みに合うかどうか、料理を選ぶ際に最適なワインを提供出来るかなど、様々な専門知識が要求される職業です。

しかし、上記の仕事はソムリエの仕事のほんの一部に過ぎません。ソムリエの仕事はワインを提供することだけでなく、ワインの入荷や品質管理、グラスの管理などワインを扱うにあたって重要な仕事ばかりです。特にワインはデリケートな飲み物であり、品質管理や使用されているブドウの種類や産地などによっていくらでも味が変化するものです。

ソムリエはブドウの種類や産地にこだわり、徹底した品質管理によってお客の様々な好みに合わせたワインを提供出来るようにしなければなりません。このようにお客の好みや料理に合うワインを追求する為、ワイン以外の知識にも精通していなければなりません。

半ば美食家のような感覚の中で仕事をこなすことになるだけでなく、接客を行う中でお客の些細な会話や表情の変化などを察知し、最も適切なタイミングでワインを提供するなど非常に気が抜けない職業だと言えるでしょう。

ソムリエの収入は基本的に勤務地によって変わりますが、平均月収が20万、平均年収が300万から600万と活躍すればするほど年収が上がっていくのが特徴です。

ソムリエが活躍するのは主にホテルや大規模なレストランなどであり、基本的に高い収入が得られる職業となっています。待遇面も大規模な勤務先で働く人ほど優遇されていることもあり、充実した福利厚生や各種手当など働きやすい環境が整っています。

ただし、高い収入が得られるのはホテルなどの大規模な勤務先で働くソムリエに限られるでしょう。小規模な飲食店の場合だとソムリエ以外の仕事を兼任することが多くあるので、忙しさに見合った収入が得られるとは限りません。

ソムリエは基本的に接客業なので、お客に最高の一時を味わってほしいという強い気持ちがなければ長くは続かない職業だとも言えるでしょう。

ソムリエの評判は本当に好きな人からすれば非常に高いと言えます。

ソムリエとして活躍するにあたって非常に多くの知識を学ばなければなりませんが、その数多の知識があってこそ様々なお客の最高の一時をお手伝いすることが出来ます。お客が理想とする最高の食事を形にすることで、ソムリエとして大きなやりがいが感じられるでしょう。

ソムリエの将来性は、いかに幅広い客層にワインを知ってもらうことが出来るかで大きく変わります。

ソムリエが求められる場面は一部にしか過ぎませんが、その筋の人達にとってソムリエは確実に需要がある職業です。ワインを親しむ人が年々増加している為、これからもソムリエが求められる場面が増えていくでしょう。

ソムリエは今後、ワインを嗜み始めた人からワイン通の人まで幅広い客層に対し、いかにワインを楽しんでもらえるかが重要になります。