作業療法士は、身体や精神に障害を持つ人々の日常生活動作の回復や社会復帰をサポートする医療専門職の国家資格です。理学療法士が主に身体機能の回復を目指すのに対し、作業療法士はより幅広い視点から、患者の心身両面の機能回復と生活の質の向上を支援します。具体的には、手芸や工作、ゲームなどの作業活動を通じて、身体機能だけでなく認知機能や精神面のリハビリテーションも行います。
合格率は例年80%前後で推移しており、理学療法士と同様のレベルです。医学的知識と実践的な技術、そして患者への理解力が求められるため、相当な努力と適性が必要となります。
作業療法士になるためには、解剖学、生理学、運動学、病理学などの基礎医学知識に加えて、作業療法の専門技術、精神医学、発達学、リハビリテーション医学などの知識を身につける必要があります。また、患者とのコミュニケーション能力、観察力、創造性、そして手先の器用さも重要なスキルとして求められます。
この資格は主に病院、クリニック、介護施設、精神科病院、児童発達支援センター、就労支援施設などで必要とされています。特にリハビリテーション科、精神科、小児科、整形外科などの診療科で活躍し、高齢者施設や障害者支援施設でも重要な役割を担っています。
介護福祉士とは異なる専門職であり、作業療法士の資格がなくても介護福祉士になることは可能です。資格取得には専門学校や大学で3年以上の養成課程を修了し、卒業後に国家試験を受験して合格することで資格を取得できます。