何故突然こんな話に?

大学全入時代等と言われ、大学を選ばなければどこへでも入れる時代が確かにあった。
しかしそれは裏を返せば、大学を選ぼうとすると不合格になるということ、ではなく、選ばれない大学は定員に達していないために本来の基準を下回っても合格する可能性があるということだ。

俗にいれば定員割れ。大学の定員というのはそれが充足することで学費から運営費を賄えるという基準でもある。なので運営上大学の定員割れは非常に深刻だ。
元はと言えば少子化がここまで進む前に大学をはじめとする教育期間が乱立した影響なのだが、これが今定員割れ、また運営ができなくなって潰れる大学が出てくるという自体を引き起こしている。

これを国の教育を預かる文部科学省としては見過ごすわけにはいかない。
そんなわけで打ち出したのが、今回話題になっている、大学定員厳格化だ。

進めることはとってもシンプル。志願者を定めていた定員数より多く受け入れるのはダメだよ、というだけ。
もし超えたら、助成金という大学の運営にこれまた大きく貢献していた国からのお金を受け取れなくなる。
助成金は基本的に定員数を超えた学生の学費よりも多いので、それがもらえなくなると定員割れより手痛い資金不足になる。
となると合格者を今までより減らして定員に収めようとするのは、自明の理だ。
そもそも人気な学校が人気じゃない学校の分まで学生を集めていたのだから、ズルを是正するという意味合いではある。
文部科学省的にも、この厳格化が社会的に当然のものと理解してもらえると思っている。
勝てるからってサッカーを本来の11人ではなく15人でやろうなんて、反則も反則だよね。

当然大学も非営利組織ではないため収入は必須。
でもやり過ぎ・独占は良くない。

結局どうなるということ?

結局、そうなるとどうなるのかと言えば、定員が減るのだから合格者も減る。
合格者が減るということは、その大学の合格率も減るわけで……人気を集めていた大学の合格率はストンと落ちることになるのだ。
A判定で安心していた、B判定でもチャレンジしようとしていたアナタがもしいるのであれば、甘いと言わざるを得ない。

分かるだろうか。定員から溢れている分が切られるだけじゃないのだ。
上位の学校から溢れたハイレベルな不合格者が、浪人を避けるためにライバルになる可能性があるのだ。
つまり上位勢が底上げされた上で、定員以上が切られてしまう
それが、どんどんと下位へ下位へと連鎖していく。

元々定員割れ狙いだし、関係ない。なんてとてもじゃないけど言っていられない。
実際の数字で見てみよう。

これまで、2015年までは、定員の1.2倍未満であれば助成金が受け取れていた。
仮に3,000人が定員であれば、599人まで受入れができていた。
これが2018年度の入試では299人まで、つまり300人も不合格者が新たに出ることとなる。
しかもこれが上位校全てだというのだから、もし上位が10校しかなくても3,000人は不合格が増加する可能性があるということだ。
新たに生まれる不合格者だけで、大きな大学一つを充足させることができる。

上が現状の定員。太線の部分がMAXだとして、大学Dのみ定員割れしている。
ところが下の図、定員がそれぞれ下がることで少しずつ繰り下がりが発生し、定員割れしていたはずの大学Dでも不合格者(赤帯)が発生している。

多少なりともやばさが伝わっただろうか。
恐らく伝わっていないだろう。
なので以下でもう少し実感してもらいたい。

大学は受験日程も詰まっていて大変…

大学の受験日程は調べているだろうか。恐らく調べていると、結構な学校で受験日が同時期に開催されていることだろう。
とはいえ範囲にすれば1~3月くらい。AOや推薦だともっと早く決まるけれど。

ここで言いたいのは、大学の受験日は固まっているということ。
そんなことは分かっている?それならこれも分かっているだろうか。

やばそうだから、落ちたから、そうなってから大学をもう一個受けよう、なんて不可能なのだ。
そもそも願書を提出する期日もあるのだから、元々実質無理なのだが。

そうなると、やはり事前に滑り止めについては抑えておかなければならない。
倍率が発生するかなどは、出願者が出そろわなければ分からない。
昨年の出願状況を調べることもできるが、定員の1.1倍までとなるのは今年が初めてだ。
推測はできても安心はできない。

ともなれば一つでも二つでも、確実に入れる学校か、受験後の出願でも間に合う学校を探しておく必要がある。
そんな学校ある?と聞かれれば、このサイトを運営している以上はあるよ!としか答えられない。

専門学校や、スクールという選択肢だ。

専門学校やスクールではジャンルにも寄るが少なくとも大学より厳しい審査は無く、大学の合格発表後まで願書を受け付けているところも少なくない。
当然進学先なのだからしっかりカリキュラムやアクセスについては調べておく必要があるし、当然入試日程も把握しておく必要があるが、調べてさえおけば、さらには進学の可能性を伝えておけば十分進学は可能だ。

パンフレットの請求やオープンキャンパスに行ってみるだけなら、かかるのは交通費だけ(それも補助される可能性もある)。それで1年の浪人生活を避けられるのであれば、十分選択の余地があるのではないだろうか。

比較検討しておくことに早すぎることはない

専門学校やスクールという選択肢

大学を検討している人からすれば、専門学校やスクールは良く分からなかったり、あまりいい印象を持っていないかもしれない。
それはなぜなのか、答えはカンタン。よく知らないからだ
人間というのは怠惰な生き物で、よく知らないものを理解しようとはなかなか思わない。
専門学校のことをよく調べた上で、それでも検討の余地がないなら謝ります。ごめんなさい。あなたはきっと医師や獣医師、薬剤師等の6年制を目指しているのだろう。

専門学校は、大学のように一般教養を学ばず、特定のジャンル、職業についてを徹底的に学ぶところだ。
なので下手な大学よりも資格取得率や就職率がよく、しかも2年制が中心なので学費も抑えることができる。

でも初任給は大学の方が上なんでしょ?と思っているアナタ。その通りです。大卒と専門卒じゃ初任給で数万違うこともある。
ただしそんな会社は大企業などがほとんどなので、大学も上位層じゃなければ意味がない。そもそも雇ってもらえない。
それなら安くて専門知識や技術が身につく専門の方が得だろう、そう筆者は考えている。実際に進学もしたし。

何はなくとも、人気大学の定員が減り、不合格者が溢れるのは間違いのない話だ。
あとで慌てふためくならば、今からしっかり調べておくのは悪い選択肢ではない。

さぁ、進路について考えよう。

掲載者情報

【2019年】大学の定員が実質激減!?文部科学省が定員割れ以上の問題にメス!!
◆文責:七文(ななみ)
◆公開日:2018年08月09日 11:00
◆更新日:2018年08月13日 17:30

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