高校生が建築士になるには、建築士の国家試験に合格しなければなりません。さらに国家試験を受験する為には受験資格を満たしている必要もあります。受験資格を満たす条件は複数あり、学歴と実務経験が関係しています。
建築士を目指すには、進学するのが望ましいですが、目指す資格や受験資格を満たすために、選ぶ学校・学科を決めなければなりません。まずは、建築士の資格について説明します。
建築士の資格には「一級建築士」「二級建築士」「木造建築士」の3種類があります。
「一級建築士」:設計する建物に制限はありません。一般住宅に留まらず、公共の大規模建築物や競技場など様々な建物を設計できます。
「二級建築士」:一級建築士と比べると、設計する建物の規模や構造に制限があり、いわゆる戸建住宅対象の建築士資格です。
「木造建築士」:一級/二級建築士と比べて、木造に特化した建築士資格です。また、二級建築士よりも規模が大きい木造建物を設計することが可能です。
大学・短大・専門学校に進学した場合、建築学科や土木学科を選ぶ必要があります。一級の場合、実務経験が2年以上、3年制の短大の場合は3年以上、2年制の短大・専門学校の場合は4年以上の実務経験を積んだ上で、受験する必要があります。
二級建築士の場合、大学は受験可能、短大は1年以上の実務経験が必要です。専門学校が少し特徴的であり、実務経験無しで受験することが可能になる場合があります。これは学校が用意するカリキュラム等に違いがあり、実務経験が0年~2年以上で受験することができるようになるため、事前に確認する必要があります。
大学と専門学校を比較すると、それぞれメリットが見えてきます。
大学の場合は、一級建築士の合格率が高いこと。平成29年度の一級建築士合格者のうち、約70%の人が4年制大学建築系学科卒業生でした。
次に建築学だけでなく、一般教養や大学卒業経歴が付くので、万が一に建築が自分に向いていない場合は舵きりができます。
専門学校の場合は、いち早く現場経験が積めること。短期間での資格取得(二級建築士)を目指すため、建築学について専門的に学ぶことができます。二級建築士だけで見れば、4年制大学よりも早く受験することが可能です。
次に高校卒業から建築士を目指す場合です。
建築科や土木科がある高校を卒業した後、実務経験を3年以上積むことで受験資格が得られます。一早く建築士になるには、建築学科がある高校の専門学校に進学することになります。学歴がない人は受験資格が得られないのではないかと思われますが、学歴を積んでいなくても実務経験を7年以上積むことで受験資格が得られます。
実務経験を積む場合、設計事務所や建築会社、工務店などに就職する必要性があり、そこで建物の設計などを行う必要があります。基本的に学歴を積んだ後に実務経験を積むのが基本的な流れになるでしょう。
建築士が扱う仕事はどの資格を取得しているかで変わります。木造建築士の資格の場合、木造建築物の設計や工事監理を行います。二級建築士になると延べ面積500平方メートル以下の建築物の設計や工事監理が行えるようになりますが、それでもまだ建築士として活躍するには不十分と言わざるを得ません。
多くの建築会社などが求めているのは一級建築士を取得している人で、一級建築士は全ての建築物の設計及び工事管理を行えるようになります。なお、一級建築士になるには木造建築士や二級建築士の資格を取得した後、さらに実務経験を4年積まなければなりません。
こうして苦労して資格を取得したとしても、それから将来が安泰というわけではありません。専門知識や技術が必要とされるのはもちろん、実力主義の職業だからこそ日々の努力や実力を高めていく必要があります。
建築士になるには
建築士になるために。
建築士といえば、建物を建てる仕事として知名度が高い職業ですが、言葉で説明すると「建築に関わる法律に基づき、様々な建築物を設計する仕事のことです。建築士になる為には様々なスキルが求められるでしょう。実力主義の職業でもあるので、常に努力が必要となります。
そこで、高校生が建築士になるにはどうすればいいのかをご説明します。