銀行員になるには

高校生が銀行員になる為には、何か特別な資格を取得しなければならないわけではありません。銀行の就職試験に合格すれば晴れて銀行員として働くことが出来るようになりますが、その前に大学を卒業していることが大前提となります。

ただ、働く銀行によっては卒業する大学のレベルも変わります。大手銀行の場合だと難易度の高い大学を卒業している必要がありますが、地方銀行の場合だと地方の大学を卒業していることが条件となります。中でも外資系の銀行は海外先との取引が頻繁に行われることから、高い語学力を持つ人や留学経験がある人などが求められます。

銀行員を目指すにあたって必要となるのは、金融や経済はもちろん、税務や不動産などの専門知識です。したがって経済学部や法学部といった学部がある大学に進学するのがおすすめです。とはいえ、必ずしも上記の学部がある大学を卒業しなければ銀行員になれないわけではありません。

先ほどのように外資系の企業は海外とのやり取りの際に通用するレベルの高い語学力が求められるので、国際学部が選べる大学を卒業するのも良いですし、とにかく数字に強くなければならないことから理数系の学部出身者が採用されることも多くあります。

より確実に就職する為にも薄記や宅建などの資格を取得したり、TOEICで高い得点をとっているなど、銀行員として活躍出来ることをアピールすることも重要です。

銀行員の主な仕事はお金に関する様々な取引を行うことですが、その中でも代表的なのは預金業務と貸付業務です。

預金業務とは銀行口座を介してお客のお金を引き出したり預かったりする業務です。基本はATMなどでお金のやり取りを行いますが、さらに細かい業務は銀行の窓口や後方で入出金の手続きや、お金のやり取りに関するトラブルが起きた時の対応を行います。

貸付業務は資金が必要な人にお金を融資する業務であり、融資した金額に応じて利子を得ます。主な役割は資金繰りの土台を支える為に企業の運転資金などを貸し与えますが、この時に一番気を付けなければならないのが融資先の倒産や破産です。

もしも融資先が倒産や破産となった場合、融資したお金は戻ってこないことになるので銀行が多額の損害を被ることになってしまいます。このことから融資をお願いしに来た人全てに融資するわけにはいきません。基本的に銀行員が一人で融資するかどうかを判断することになるので、自分の判断が元で大損害を被ることもあるなど非常に責任重大な業務となります。

したがって大損害を被ることにならない為にも、銀行員は融資するに値する人・企業なのか調査・審査を行います。調査や審査の内容によっては希望する融資額に適さないと判断し、融資する金額を大幅に引き下げたり、貸付する期間を決めるなど厳正な判断が求められます。

銀行員の収入は、他の職業と比べても平均的に高い収入が得られます。

とはいえ、地方銀行なのか都市銀行なのか、外資系の銀行なのかなど銀行の規模によって得られる収入が大きく変わります。一例として都市銀行などの大手銀行だと平均年収はおよそ700万以上なのに対し、地方銀行だと500万以上と大きな差があります。

しかし、資格手当が支給されることから資格の有無によって年収が大きく上がります。銀行員は金融に関するスペシャリストであり、様々な知識を身に付けたり多くの業務に対応出来るように資格を取得するチャンスが非常に多くあります。

日商簿記やファイナンシャルプランナー、宅建、銀行業務検定など様々な資格や検定がある為、資格手当がもらえるようになれば収入アップに繋がります。その上福利厚生も充実していることから、不況が続く中でも安定した収入が得られるでしょう。

銀行員の評判はとても高い傾向にあります。

元々安定した収入が得られる職業として人気が高く、不況の中でも安心して働けるのが大きな特徴です。ただ、最近は様々なサービスや銀行の形態が多様化していることから、油断していると安定しなくなる可能性があります。

高いスキルを持って銀行員になったこと、そしてお客の大事なお金に関する業務を行うことから、大きな責任と共にやりがいが感じられる職業です。

銀行員の将来性は、今後も変化するサービスや新たな形態などに柔軟に対応出来るかにかかっています。

以前は安定した職業として高い人気がありましたが、近年になって新たなサービスが打ち出されると共に銀行の形態も大きく変化していることから、銀行員もそれに対応する必要があります。

これからも銀行の競争が激化していくことから、銀行員として今後も活躍する為には自分が勤める銀行が打ち出す多くのサービスに柔軟に対応することはもちろん、高いサービス精神や発想力などが重要になります。もちろん、銀行員として何が必要なのか考えると共に、新しい能力を身に付ける必要もあるでしょう。