放送作家になるには

構成作家や放送作家となるために必要な資格や学歴はありません。
決められたルートもなく、その方法はさまざまです。

この2つの職業に求められるのは、台本を書くための文章力や日本語力、また0から企画を生み出すことのできる発想力などです。

これらの力を身につけるために、一つの方法として専門学校や養成スクールへ通う方もいます。
こういったところでは番組の作り方や、台本を書くための基礎などを学ぶことができます。

他にも多くの本を読むことや多ジャンルの作品に触れることでさまざまなイメージを持ち、さまざまな感性を磨くことも大事な知識の一つとなります。

こうした、個人の努力次第で多くの力を身につけることができ、さらにそれを活かすことができるのがこの職業なのです。

ではこの2つの仕事内容を解説していきましょう。

構成作家と放送作家は同一と捉えられがちですが、正確にはその仕事内容は異なります。
放送作家が番組の演出や出演者たちのセリフなど全体的な流れを書く仕事、構成作家はその番組の中のコーナー企画の内容などを具体的に考えていく仕事です。

放送作家は番組の収録をするための流れや、ナレーションなども台本にしていきます。
この台本はまず番組の関係者たちとの企画会議を経てから、番組の構成を含む全てを考えて「台本」として仕上げます。

この台本ができあがった上で、構成作家の仕事があります。
構成作家は、ディレクターたちとの話し合いをしながら、出演者や司会者の個性などを考慮しながら企画の内容を作っていきます。

どちらの職業にも他とは違うものが作り出せる発想力やより視聴者を引きつけるための表現力が必要となってきます。

構成作家や放送作家の収入は月収などの固定額ではなく、一本ごとにいくら、という収入の場合がほとんどです。
この金額はひとつの番組の制作にあてられた予算の中から支払われます。

この職業をに就き始めたばかりだったり作家の見習いをしながらの場合、年間で合計したときの月収は約15万円前後の方が多いです。1本が3万円～5万円といった金額から数十万になる場合もあったりと、こなす本数によっても毎月一定額稼ぐことは難しいようです。
そのため、駆け出しのときは他のアルバイトなどを掛け持ちして生活する方も多いです。

また、人気作家やレギュラー番組など週に何本も担当するようになると、月収約300万～500万円ほど稼ぐ方もいらっしゃいます。
こういった方たちも最初はアシスタントから始めるなどしており、経験を積みながら実力をつけることによって1000万円を超える収入を得ることもできるのです。

構成作家・放送作家は表舞台で活躍する職業ではありません。
自分たちの作り上げた企画や番組が放送され、そこで初めて名前を見てもらうことができます。
自身の企画からすべてが進んでいくため、そのプレッシャーや新しいものを作っていかなければ、という精神的な負担も多くあります。
しかし、すべて完成したときの達成感やその放送を見た人たちからの声に聞く喜びはそんな重圧をも超える喜びだといわれています。
自分でなにかを作り出すことの楽しさや経験を重ねていくことで自らの成長を実感することができる。そんな職業だといわれています。

現代ではインターネットの普及により、テレビ離れが進んでいるといわれてきています。
それでも毎日放送され、新しい番組がどんどん誕生しています。こうした番組がある限り、放送作家や構成作家の仕事がなくなることはありません。
これからは、新たな作品を生み出せる作家が求められています。
ラジオでの仕事も増えてきていたり、さまざまな趣向をこらすというこうした業界の中で、活躍のチャンスはまだまだあるでしょう。