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臨床工学技士になるには

高校生が臨床工学技士になる為には、臨床工学技士の国家試験に合格しなければなりません。また、臨床工学技士の国家試験を受ける為には、受験資格を得る為に3種類のうちの1つを満たす必要があります。

1つは3年制の臨床工学技士の専門学校か短大に進学して卒業すること
2つめは4年制で臨床工学技士の養成課程がある大学に進学して卒業すること
3つめは臨床検査技師、診療放射線技師、看護師のいずれかの養成学校を卒業しており、なおかつ臨床工学技士の専門科に1年間通うこと

いずれかの方法をクリアすることで受験資格が得られる為、臨床工学技士の国家試験に挑むことが出来ます。多くの方が専門学校または大学への進学を検討されると思います。ここでは専門学校と大学のメリットとデメリットについて、それぞれご説明します。

・専門学校
専門学校への進学メリットは大きく3つです。1つ目は学費です。大学進学はおおよそ700~800万の学費が掛かるのに対して、専門学校はおおよそ500万前後です。資格取得までを目標とすると大きく違います。2つ目は大学に比べて、社会に出るまで1年間早いことです。現場での仕事慣れや経験を積む意味でも大卒よりも早く身に付けることができます。3つ目は実技授業です。大学は講義形式が多く、大勢の生徒に対して、先生が一人で板書するスタイルですが、専門学校は少数のクラスで実技を交えて授業も行います。実践に近いところが専門学校の授業の良さです。

・大学
大学への進学メリットも専門学校と同じく、3つあります。1つ目は、一般教養授業もあること。専門分野以外の知識を身に付けることができます。2つ目は、その先の修士号や博士課程への進学も出来ることです。就職に関しても有利になるため、大学病院や医療研究機関などを視野に入れている場合は、目指す価値があります。3つ目は、授業カリキュラムです。専門学校が全て決められているスケジュールに対して、大学は自分が学びたい授業を1コマ単位で決めることができます。必修科目で決まっている授業もありますが、自分の思い通りにスケジュールが決めやすくなります。

但し、どちらに進学を決めても、入学までの試験があります。専門学校も例外なく筆記試験があるため、「簡単に入学できて、落ちることは無い」といったことはないでしょう。

臨床工学技士の国家試験に合格すれば臨床工学技士として働けるようになります。臨床工学技士の就職先は主に診療所が挙げられますが、公立病院や一般の病院などでも募集しています。また、臨床工学技士の資格を取得している人が少ない傾向にあることから、就職先を選り好みしなければ就職しやすいのも大きなポイントです。

臨床工学技士に求められるのは、機械が好きであることと注意深さです。臨床工学技士は保守点検を行う義務がある為、機械に問題がないか隅々まで点検するのはもちろん、最新の機械が導入されれば、その機器についての操作方法などを覚えなければなりません。

機械操作が苦手だとスムーズに働けない可能性がある為、普段から機械の操作が得意であったり、新しい機器について学ぶのが好きという人に向いています。また、機械の操作は人の命を左右する為、ほんの些細な操作ミスでも許されません。その為、自分の操作性に慢心することなく、常に注意深く機械を操作出来るかが求められます。

臨床工学技士は需要が高い職業である為、機械操作に疎い病院や診療所の場合だと特に重宝される存在になり得るでしょう。

臨床工学技士の仕事内容

CEやMEとも呼ばれている臨床工学技士の主な仕事内容は、ほぼ全ての医療機器の保守点検及び操作です。医療チームにおいて臨床工学技士の存在は絶対に欠かせないものであり、医療機器の操作に詳しくない人は操作を誤ってしまう恐れがあります。

臨床工学技士は最新の医療機器を扱えるようにならなければならない為、複雑な操作を正しく行うことで安全な医療を提供する、いわば医療機器を扱うスペシャリストなのです。

臨床工学技士が行う業務は血液浄化業務、手術室業務、集中治療業務、人工心肺業務、呼吸療法業務、高気圧酸素業務、医療機器管理業務、心血管カテーテル業務、ペースメーカ/ICD業務の9つがあります。これらの業務は全て患者の命に関わるものであり、腎臓機能の役割を補ったり手術を安全に取り行ったり、ICUで使われる生命維持装置などを初めとする機器の操作など多岐に亘ります。

特に総合病院に勤務する臨床工学技士は9つの全ての業務を行うことがほとんどなので、よりミスが起こらないように細心の注意を払いながら操作しなければなりません。特に医療機器管理業務は最も大事なもので、院内で使用されている全ての機器の定期点検や終業、点検、修理などを行います。臨床工学技士の点検や修理によって医療機器を安全に使うことが出来る為、臨床工学技士は非常にニーズが高い職業です。

臨床工学技士の収入

臨床工学技士の平均年収は600万程度となっています。但し、いきなり高額な給与がもらえるのではなく、ボリュームゾーンは40代後半から50代前半となっています。勤務する場所にも左右されますが、基本的に経験と勤続年数を重ねることによって収入が上がる仕組みになっており、様々な手当も追加されます。

透析業務に関わる臨床工学技士の場合だと月に5000円から2万円の手当がつくことがありますし、その他にも資格手当や住居手当、通勤手当や育児手当など勤務先によって様々です。手当の有無を重視するのであれば、勤務先を選ぶ際にどんな手当があるのかを確認しましょう。

個人の経験や能力を高めることで収入が上がる職業なので、日々スキルアップを目指す必要があります。

臨床工学技士の評判

臨床工学技士の資格取得については未だ浸透しきっていない傾向にある為、評判は微妙なところかもしれません。

ただ、臨床工学技士は医療現場において必要不可欠な職業であることから、ニーズがあることを見越して資格を取得する人が増えているのも事実です。実際に医療チームが組まれる際も、臨床工学士が一員として活躍するケース増えています。これから先、臨床工学技士が重要視される場面が増えているため、評判が良くなる可能性があるでしょう。

臨床工学技士の将来性

臨床工学技士の将来性は今後もますます高まっていくでしょう。

医療現場において導入される最新の医療機器を的確に扱えるのは臨床工学技士の他にいません。臨床の観点からも医療機器による結果は医療において必要不可欠ですし、修理が行えるのも臨床工学技士の特権です。

また、臨床工学技士は研究職の道に進んだり、他の資格の取得を目指すなど様々な将来性があります。特に臨床工学技士は未だ資格を取得している人が少ない為、研究機関や教育者になる為の競争率が比較的低い傾向にあります。

このことから、自分は臨床工学技士の知識や能力、経験を活かしてどんなことが出来るのかを見つけた時、その道に向かって進みやすいのが大きなメリットだと言えるでしょう。

掲載者情報

臨床工学技士になるには
◆文責:七文(ななみ)
◆公開日:2017年12月11日 10:35
◆更新日:2019年12月17日 16:00

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