演出家になるには

演出家となるために必要な資格や学歴などは特にありません。
そのためどんな方にでも目指していくチャンスはあるということになります。
しかし、持っていることで有利となる知識やスキルなどで就職等に有利な場合があります。

演出家としての知識を学ぶ方法としては、専門学校または美術系大学へ進む方法があります。
現在活躍されている演出家の方もこういった専門学校での学習を経ているという方が多いです。

最近の専門学校では作成する番組のジャンルによって専攻がわかれている場合も多く、「映画」や「バラエティ」などのジャンルがあります。

その他の方法として現場で直接学び経験を積んでいく方法があります。
こちらは場所はさまざまであり、制作会社などのアルバイトに応募してアシスタントとして学んだり、自らが劇団を立ち上げその中で演出家として経験を積みながら業界内での人脈を広げていく、という方法もあります。

演出家としての仕事は、舞台やテレビドラマ、ライブイベントなどにおける監督の役割を仕事とします。
制作に関する全ての面で指揮をとり、作品の具体的な方向性を決めるところから、それに合わせて配役や照明、音楽などや出演者の演技指導に至るまでを決定していきます。

まずは作品の脚本や原作に触れて解釈・理解をするとことから始まります。
現場に入るまでに誰よりもその理解を深め、演出に含む見せ方や方向性を決めていきます。

その後現場に入ってからはスタッフや出演者たちをまとめ、スケージュールの調整等をおこないます。
撮影してできたものに納得が行かなければ何度でもやり直し、指導や稽古の回数を増やすことも多いようです。

すべての撮影が終わった後は映像の編集を行います。
作品のイメージを最後までしっかりと持ちながら周りのスタッフと協力して完成させていきます。

ここまでのすべて終わるまでが、演出家としての仕事です。

気になるこの職業の収入を紹介していきましょう。

この職業は一定の収入がもらえるわけではありません。その技術や知名度によって大きく異なってきます。
見習いや劇団を立ち上げてからスタートした場合、ほとんどが無収入かそれに近いほどです。
制作会社や企業等に就職した場合の平均の初任給は約20万円ほどです。

こうした下積みや経験を積んだあとでフリーとなって活躍できるようになると、収入が大きく変わります。
もちろん実力や運が左右することもありますが、人気の作品を作り上げる方など、有名になってくると数千万円を超えるほどの収入のある方もいらっしゃいます。

決して安定している職業とはいい切れないでしょう。

演出家というと映画などを作り上げる魅力的な仕事という評判が多く見受けられます。
多くの人を引きつける作品を作り上げることができると、その名前だけで関わった作品すべてに関心を持ってもらえることもあります。
新しいものを作り上げたり、今あるものをその人なりのもので表現していく仕事。自由度は高いけれど簡単ではなく、どれだけたくさんのイメージを作り上げそれを魅せることができるかが問われる、ある種「おもしろい」仕事だと話す人も多いです。

この演出家という仕事は今も昔も、作品にとって欠かせない存在の一つです。
最近では多くの映像作品や舞台作品が生まれています。これらすべてに演出家は存在し、その分だけ演出家の数もいるのですが、それでも人手が足りなくなっています。
これはこの演出家という仕事が目指せる人が限られている、なるのは特別資格がいるのでは、と足踏みする人がいるというのが理由の一つにあります。
これからも新しい作品が生まれていく中で、時代の流れを上手く掴みつつも自分の世界を作り上げることができる、そんな演出家が求められていくのかもしれません。