財務になるには

高校生が財務部門で働く為には、財務部門がある企業に就職することから始まります。財務部門を希望し、無事に財務部門へと配属されれば財務の業務を行えるようになります。この際に絶対に必要となる資格はありません。

しかし、多くの場合は新卒者がいきなり財務部門に配属されることはほとんどなく、大抵は総合職として働くことになります。総合職で財務部門で働く上で必要な知識を身に付け、会社側が財務部門で働くにあたって十分な素養が備わっていると判断されたら、財務部門に配属されるようになります。

しかし、ここで問題となるのは財務ではなく経理や会計など他の部署と混同してしまうことがあることです。これらの業務は全て会社のお金の計算や管理に関わる部署なので、会計や経理でも財務のような仕事が出来るだろうと油断して就職してしまったケースが後を絶ちません。

会社の規模によっては経理や会計、財務と部署を分けているケースは意外と少なく、特に小さな会社の場合だと経理や会計が全ての業務を任されていたり、財務経理部のような2つの部署を合体させている会社もあります。

厳密に言えば会計職は会社の様々な入出金の管理を行っており、経理職は会計が行う業務の中でも経費や利益などの費用の動きを計算する役目を持っています。対して財務職は事業活動に必要なお金を集めて管理する重要な仕事です。

会社に就職するにあたって財務職と経理、会計との違いをハッキリさせておく必要があるでしょう。また、経理や会計よりも重要な業務を任される為、スムーズに働けるようになるには簿記や公認会計士といった専門性のある資格を取得する必要があります。

必ずしも資格を取得する必要がないとはいえ、こうした資格を取得していれば既に専門知識やスキルがあることを証明出来るので、即戦力として財務部門に配属されやすくなるでしょう。

財務部門での主な仕事は、様々な会計情報を基に会社が活動する上で必要となる資金計画を練り、必要に応じて資金を用意することです。

主に財務業務は活動資金の調達と財務計画の立案・実行、資金の管理の3つを行っています。活動資金の調達の場合、会社にとって新商品を開発したい時やPRを行いたい時など、いつでも使用出来る資金があればすぐに実行に移すことが出来ます。会社の活動は資金があるほどすぐに動けますし、活動資金がなければここぞというタイミングを逃してしまうでしょう。

財務職は調達した資金の管理はもちろん、銀行からの融資を得るなど会社の命運を分ける資金の調達に邁進します。また、資金は調達したらそれで終わりではありません。財務職による資金計画の立案により、大事な資金をどのように使用するのかどうか、管理するのかを決めて実行します。

調達した資金をどのようにすれば正しく使えるのかどうかが、会社の業績をアップさせることに繋がります。また、いつでも使える資金の管理は必要不可欠です。いつでも使える資金がなければ会社が動くことは出来ませんし、管理がおざなりになっていると資金調達もままなりません。

資金の管理を行う上でどのくらいの資金があるのかを随時把握し、資金調達の為の融資先の確保など、いつでも話が出来るように進めておくのが財務職の重要な仕事です。

財務の収入は会社の規模などによって大きく変わりますが、基本的には一般事務よりも比較的高い収入が得られます。

規模が小さい会社の場合だと平均月収は15万から20万程度であり、年収にして280万程度とそこまで高くありません。財務に関する全ての業務を任されることから、忙しさに見合った収入が得られるとは言い難いでしょう。

しかし、規模が大きくなるほど収入も上がる傾向にあり、規模が大きい会社の場合だと年収は400万から450万程度となります。規模が大きいほど業務が細分化されて一人あたりの仕事量が減る為、定時で帰れることもあるなど働きやすい環境となっているでしょう。

財務の評判は、お金に強い人ほど良い傾向にあります。

会社にとって重要な活動資金の調達や管理を一手に任される為、会社の重要なお金を管理する重い責任感と共に会社を大きくする為に資金を調達することにやりがいが感じられる職業です。会社にとって一定以上の需要がある為、基本的に就職先に困らないのも特徴です。

財務の将来性は、経理や会計よりも安定していると言えます。

会社の活動資金の調達は、そのまま財務職の手腕に繋がります。収入面も安定していますし、何より会社になくてはならない人材なので安定して長期間働けるのも魅力の一つです。経理職と違って財務職でしか出来ないことも多い為、経理職が廃止されても財務職なら問題なく働けるでしょう。

財務職としての将来性を広げるには、更なる専門性を高め、企業に貢献出来るかにかかっています。