グランドスタッフになるには

高校生がグランドスタッフになる為には、グランドスタッフを募集している航空会社に就職するか、航空会社の関連会社に就職するか、派遣社員に登録して働くかどうかの3種類の中から選ぶことになります。どれか一つを選んで採用試験に合格すればグランドスタッフとして働くことが可能です。

基本的にグランドスタッフとして働く際に必要とされる資格は存在せず、学部や学科なども問われないので比較的容易に就職出来るかと思われます。ですが、最低でも大学や大学院、短大、専門学校などを卒業していること、そして勤務条件や住居に関する条件、英語能力などが求められます。

グランドスタッフの採用試験を受けるにあたり、空港内で接客業を行うことから英語力が高いに越したことはありません。英語検定2級以上か、TOEIC550点以上あればグランドスタッフとして十分働くことが出来るので、在学中にどれだけ英語力を身に付けられるかが重要です。

また、採用試験を受ける前に必ず書類選考が行われるので、先に書類選考に突破する為に自己PRや志望動機などを充実させなければなりません。非常に多くの人の接客を行うことから、立ち居振る舞いや正しい日本語や英語力なども必要になるなど、基本的にハードルが高めです。

また、勤務形態は正社員か契約社員かで変わってきます。正社員として働く場合だと航空機の離発着などに関わる仕事や新人の教育を行うなどキャリアアップを目指すことが出来ますが、契約社員の場合だと主に接客を中心に様々な仕事をこなしていきます。

どちらにしても年齢や国籍問わず幅広いコミュニケーション能力やトラブルが起きても冷静に判断して迅速に行動出来る判断能力、そして不規則かつ早朝勤務、重い荷物の持ち運びなどハードな業務をこなせる体力が必要です。

グランドスタッフの主な仕事は、空港内での接客業務です。

その中でも搭乗手続きと搭乗案内の2つをメインとして行います。搭乗手続きの場合、チェックインカウンターにてお客の航空券の発券や荷物の受け取り、乗り継ぎ案内などを行います。特に重要なのは、お客が持ち込んだ様々な荷物に対し、持ち込んで良いものとそうでないものを見極めて丁重にお断りする税関のような仕事を行うことです。

いかなる理由があっても飛行機に持ち込む上で危険なものがあってはならない為、お客の期限を損ねることなく丁寧に持ち込みを止めてもらうように説得しなければなりません。また、

グランドスタッフは荷物の持ち運びの際に重い荷物を何回も預かって丁重に扱うことになります。特に壊れやすい荷物はベルトコンベアではなく自分の手で運ぶことになるので、それ相応の体力が必要です。

搭乗案内の場合、お客が滞りなく飛行機へ搭乗出来るように様々な手段で誘導するのが仕事です。中には搭乗が遅れたせいで飛行機の出発が遅れてしまうことがある為、きちんと時間までに全てのお客を搭乗させることが目的です。

出発時刻が迫っているにも関わらずお客がまだ搭乗出来ていない場合、グランドスタッフが無線機などを活用して連絡を取り合い、搭乗ゲートへすぐに案内するなど、咄嗟の判断力や対応力が求められます。

グランドスタッフの収入は経費削減などの影響を受けている為か、安定していません。

正社員で働く場合だと初任給で15万から18万、契約社員の場合だと平均時給が1000円程度となっており、年収にして200万から350万が平均となっています。このように収入はやや減少傾向にありますが、賞与やシフト勤務手当や深夜勤務手当、年末年始に勤務する場合は年末年始勤務手当が出るなど各種手当が支給されます。

他には社会保険や寮制度、搭乗優待制度といった待遇がある為、他の職業にはない待遇面が魅力です。

グランドスタッフは収入こそやや低めながら、評判は良い傾向にあります。

空港内にてスムーズな搭乗が出来るのはグランドスタッフの接客があってこそだといっても過言ではありません。年齢や国籍を超えた様々な人との会話が楽しめるだけでなく、自分の仕事によってお客からお礼を言われた時は大きな喜びを感じるでしょう。

グランドスタッフの将来性は、IT化によって自動化が進む中でいかに心のこもった接客がこなせるかにかかっています。

元々グランドスタッフの採用倍率は非常に高く、働きたくても思うように働けない場合が多くあります。こうした雇用環境の不安定さと共に収入も低めであり、なおかつチェックインカウンターのIT化によってグランドスタッフの必要性が薄れてきていることから、以前よりも厳しい環境になっていることに間違いありません。

グランドスタッフの将来性を切り開く為には、いかに人にしか出来ないサービスを提供出来るかどうかです。全てはお客の為に有益となるサービスを提供することにある為、様々なキャンペーンやサービスなどの企画を打ち出していく必要があるでしょう。