国税専門官になるには

高校生が国税専門官になる為には、まず国家公務員の一つである国税専門官採用試験に合格しなければなりません。国税専門官の採用試験を受ける為には受験資格を満たす必要がありますが、その受験資格は21歳以上30歳未満と年齢に関する条件しかないので簡単に受験資格を満たすことが出来ます。

学歴が問われないので年齢制限以内であれば高卒者でも採用試験を受けることが出来ますが、国税専門官の採用試験を高卒程度のレベルで合格するのは非常に難しい為、最低でも大学卒業レベルの知識を有している必要があります。代わりに税務職員採用試験であれば高卒者でも試験に合格することが可能な難易度となっています。

国税専門官になりたいのであれば、大学に進学して採用試験を受けるようにしましょう。また、いずれにしても学歴で判断されることはほとんどないとはいえ、試験に合格する為には法律に関する様々な知識が必要不可欠です。大学などに進学するにあたり、法律の勉強が出来る学科や学部を選ぶのが得策です。

晴れて無事に国税専門官の採用試験に合格出来たら、国税局の財務事務官として勤務することになりますが、その前に税務学校などで4ヶ月の研修を受けなければなりません。なお、税務職員採用試験を合格した人の場合だと11ヶ月もの研修を受けることになるので、早く国税専門官として働きたい人は国税専門官の採用試験の合格を目指すべきでしょう。

研修期間中に様々な税法について学ぶだけでなく、期間中に日商簿記の2級の資格を取得しなければなりません。こうした研修期間を終了させることでようやく各税務署等に配属されます。しかし、税務署に配属されても、そこでさらに3年の実務経験を積まなければならず、7か月の研修を受けなければなりません。

国税専門官の主な仕事は、税金のスペシャリストとして国税の調査及び指導を行うことです。国税は国を支えている税金であり、国の根幹を支えています。国税が不当に使われていないか、正しく使えているかなどを徹底して調査を行い、徹底して税金を徴収します。

国税専門官には国税調査官や国税徴収官、国税査察官の3つの種類があります。国税調査官は税金を納める個人や企業に対して調査を行い、正しく税金を納めているかを調べます。もし正しく納められていない場合は、確定申告のやり方などを指導します。

国税徴収官は納めるはずの税金を滞納している人から税金を徴収するのが役目です。滞納者に対して一刻も早く税金を支払うように催促するだけでなく、それでも税金を支払わないようであれば滞納者の財産を差し押さえるなどの強行手段に出ることもあります。

国税査察官は脱税や刑事告発などを行うのが役目です。徴収官よりも強制力が高く、脱税や悪質な滞納者の場合は許可状を得てから家宅捜査や差し押さえなどを行います。いずれにしても税法や会計などの専門知識がなくてはスムーズに仕事が出来ませんし、時には根気が求められる場面も多くあります。

特に強制捜査を行うことが予想される場合、下手に動いてしまうと滞納者に逃げられてしまったり、逆に訴えられることもあるなど慎重に慎重を重ねて行動しなければなりません。

国税専門官は国家公務員の中の税務職の俸給表に基づいた収入が得られます。

基本的に勤続年数を重ねることによって収入がアップする仕組みになっていますが、仕事内容や役職によっても変動します。平均月収は大卒で24万程度であり、さらに扶養手当や通勤手当といった様々な手当が支給されます。そしてボーナスも支給されるなど、基本的に収入が安定している傾向にあります。

早めに国税専門官として勤務することが出来れば、40代頃から700万近くの年収を得ることも可能です。

国税専門官になることは大変ですが、それでも評判は軒並み高い傾向にあります。

納税する義務があるのに滞納している人から税金を徴収しなければならず、その現場は過酷と言えますが、それでもやりがいを持って働いている人は多くいます。国税によって経済が支えられている以上、国税専門官はある意味国を支えている重要な職業の一つです。

国を支える一人の国税専門官として、税金の徹底した管理が出来ることにやりがいを持つことが出来るでしょう。

国税専門官の将来性はこれからも一定以上を保っていけるでしょう。

いかに税金を納税する義務があるとはいえ、滞納者がゼロになることはほとんどありません。つまり、どこかで税金を滞納している人がいる為、国税専門官の需要は常に一定以上を保っています。採用試験に合格出来れば就職に困ることもありませんし、税務業務の最前線に立って働く職業です。

様々な方法で納税逃れを画策する人達から、いかに税金を徴収出来るかが国税専門官に求められる急務だと言えるでしょう。