左官になるには

高校生が左官になる為に必要となる資格や免許の必要性は問われません。学歴も多くの場合は問われることがなく、会社によっては高卒以上が最低条件としている場合もありますが、交渉次第では中卒でも働くことが出来るほどです。

したがって左官にあたって重要なのは資格や免許の取得でもなければ学歴でもなく、左官として活動出来るほどの腕です。求人情報も見つけやすく、技術があれば就職先に困ることはあまりないでしょう。

しかし、左官として就職した後は資格の取得を目指す必要があります。左官には国家技能検定である左官技能士の1級と2級の資格があり、これを取得することで仕事の際に有利になります。ですが、左官技能士の資格を取得する為には一定年数以上の実務経験が求められる為、左官になってから資格の取得を目指しましょう。

ただ、左官技能士の資格を取得する場合でも左官として現場で活躍する場合でも、高度な技術がなければ到底活躍するのは難しいでしょう。様々な場面でどんな方法で壁を塗ればいいのか、壁を塗る際に使用する材料は何がベストなのかなど、どんな場面でもベストな方法でムラなく塗らなければなりません。

左官技能士の資格は確かな技術を持っていることの証明になる為、資格を取得する為にも技術を磨くことに猛進する必要があります。

左官の主な仕事は、壁を塗ることです。

単に壁を塗るといっても壁の材質や塗る際に使用する材料によって仕上がりは千差万別です。その為、左官は材料の違いや壁の材質などを見極め、積み重ねた経験によって塗り壁を最高の状態にしなければなりません。

一般的に使われる材料だけでなく、自然素材を使用した材料を使って塗り壁を行うなど幅広い材料の性質を理解することが何よりも重要です。その他にも左官はタイル張りやレンガとブロック積み、コンクリートの床仕上げも行います。

いずれの作業も左官の技術が試されるもので、タイル張りはどのような仕上げ具合になるのかを理解しなければなりません。何でも水平に並べなければならないわけではなく、敢えてでこぼこに仕上げるなど、臨機応変に対応する必要があります。

レンガやブロック積みの場合、いかに水平に並べられるかの精度が求められます。レンガやブロックは積み重ねていくと徐々に位置がずれてしまい、様々な問題を発生させてしまう為、左官は一切ずれを起こすことなく正確に水平に仕上げなければなりません。

コンクリート床の仕上げは、コンクリートを床に打設して固まる前に均等にしていく作業です。この作業の難しいところはコンクリートが固まる前に傾斜に沿ってまっすぐに仕上げることです。

全ての仕事の中でも一番難しいのが、天井を塗る作業です。塗り天井は完璧に仕上げないとちょっとしたことですぐにでこぼこが分かりやすくなってしまいます。しかも左官は天井を見上げながら作業を行わなければならない為、完璧に仕上げられる技術だけでなく、長時間無理な体勢で塗る体力と精神力がなければならないでしょう。

このように左官はとにもかくにも技術がなければ務まらない職業である為、技術の工場がそのまま自分の仕事となります。

左官の収入は、平均年収で300万から400万とされていますが、新人であるほど低く、ベテランであるほど多くの収入を得ていることは間違いありません。

技能が直接収入に直結するわけではありませんが、技能が高い左官ほど多くの仕事を任せることが出来るので技能が高いに越したことはないでしょう。しかし、どれだけ頑張っても年収が400万を超えるのはほんの一握りだけなので、収入はあてにしない方がいいかもしれません。

左官の評判は国内よりも世界的に良い傾向にあります。

日本国内では左官を必要とする現場が少なくなりつつあり、それに応じて仕事量が減る恐れがあります。しかし、左官業は芸術性が強く、その精密な塗り方や仕上がりから世界的に注目されている仕事です。左官の仕事が見直される今、綺麗に壁を塗ることにやりがいを持って働けるでしょう。

左官の将来性は、今後世界からの評判がどのように高まっていくかに期待が寄せられています。

以前まで左官の重要性はそれほどありませんでしたが、近年は壁に塗る材料に関する健康志向が高まっており、自然素材を扱える左官が必要とされるようになっています。住んでいる人に優しい外壁環境が左官の技能によって味わい深い壁になることから、これからも左官が必要とされる場面が増えることでしょう。

世界的にも左官の類まれなる技能が注目されている中、より幅広い材料が扱える左官が今後も必要になるでしょう。仕事の幅も広がりつつあり、様々な仕事に対応出来る左官が将来性を切り開くことを期待されています。