【徹底解剖】
介護・保育・鍼灸・柔整業界の実情

公開日:2017年3月8日(水)15:00


◆様々な課題が取り沙汰される業界

最近テレビでは、介護・保育分野で様々なニュースが流れている。
保育士の数が不足しているだとか、給料が少ない、だから国を挙げて補てんしよう。
あるいは介護士による事故や事件、そしてこちらも人で不足の話。
広い意味で同ジャンルとされる鍼灸・柔整の業界でも学校に行って学ぶ人は減ってきているらしい。
資格も必要な専門職で将来は安定のはずなのに、なぜ人手不足になってしまうのか。
業界別の学校の状況を見ながら考察してみよう。

①介護分野

介護分野は今既卒者や留学生の志望者が多く、高校生からそのまま進学というパターンが減ってきている。
高齢化社会が進んでおり、活躍の幅がどんどん広がっていく介護分野だけれど、やはり大変なイメージが付きまとうようだ。
ただそれは実際の仕事内容や環境についての認知度が低いという課題が明らかで、病院や診療所の勤務が8割である介護分野の仕事は収入・安定共に見込める職業だ。
小さな施設では人手が足りなくなることもあるけれど、大きい施設に十分な人手が確保されれば統合して効率化出来る。
そうなると地域密着じゃなくなるため、通いづらさなどが出てくるのがネックではあるけれど……。
要は人手が足りなくなって労働環境が悪くなり、その評判でまた人が来なくなり……という悪循環に陥っているのだ。

ただし忘れてはいけない。介護分野の仕事は高い収入が見込めないながら絶対的な安定がある。
離職率は他の職業に比べて高い仕事だけれど、それももっと収入が欲しいと求めているため。
既卒者からの需要からも分かる通り、安定を取るか収入を取るかで、一般企業を経験した後に介護を目指す人は多い。
将来自信の親の介護の際にもスキルや知識が役立つのも嬉しい点。
確かに裕福な生活は難しいかもしれないけれど、介護分野の仕事は今後もなくなることがない日本に必要不可欠な仕事だ。

②保育分野

介護分野に比べると依然人気が高く、主に女性の志望が多い分野。
だけれど最近は給料が少ないと話題になったせいか、志望者も減少気味。
専門学校や短大どちらも減っている。
保育においても介護分野に負けないほどの活躍の場があり、今は共働きも増えたために子どもを預かるという仕事は各所で行えるようになっている。
保育士や幼稚園教諭は資格が必要で、取得には学校が必要なので、仕事の魅力が伝われば憧れから本気の夢へと変わるのもたやすいはず。
資格というのは不変なもので、持っておけばその専門性を活かして仕事につきやすいというのが最大の魅力。
また学校側でも人気の低迷に合わせて保育分野の魅力を伝える以外に、独自の制度やカリキュラムで学びやすさ、働きやすさの実現に向けて積極的だ。
どんな仕事をするかというのは、ひいてはどんなことを学ぶのかにも通じる話。
保育分野の良さを伝えるためにカリキュラムを詳しく開示している学校は、今増えている。

③鍼灸分野

鍼灸というのははりやお灸を使って身体機能の改善を行う仕事のこと。
大枠では介護や保育が含まれる福祉よりも、医療分野となる。
鍼灸分野は今新しい動きが活発で、特に「美容鍼灸」や「スポーツ鍼灸」が話題。
身体機能の向上なので、美しく見せるための施術や、身体が資本のスポーツには当然うってつけというわけだ。
本来の鍼灸だけに興味がある人以外の層、美容やスポーツに興味がある人も鍼灸に興味を示す人が増えてきていて、新卒入学も増加中。
勤務先もそれに応じて増えているので、専門技術を身につけつつ職に就けるということで、今人気の職業だ。

④柔整分野

昨今で変わらない人気を誇るのがこの柔整、柔道整復師の仕事。
国家資格であり安定力はもちろんのこと、開業も狙えて収入アップも見込める。
にもかかわらずそこまでメジャーにならないのは、やはり仕事内容の認知が弱いため。
柔道整復というのは骨折や脱臼といった軟部組織の損傷を治療するのが主な仕事だけれど、これを出来るのは医者と柔道整復師だけ。
こういった資格がなければやってはいけない業務のことを、業務独占資格という。
全てを医者で対応するわけにはいかないから、柔道整復師は無くてはならない仕事。
興味を持つ人が増えればいいけれど、もっと学校もアピールしていかないと学生への認知の道のりは長い。

◆管理人のコメント

今回は少し堅めで、名前は聞いたことあっても意外と知られていない仕事について触れてみた。
それぞれ資格があって持っているだけで強いのに、よく分からないからと志望されないマイナーな分野と言っていいかもしれない。
下手にマイクロソフト オフィス スペシャリストだとか、簿記3級、またITパスポートなどを取得するのだったら、実用的な資格を得ておきたいものだ。
管理人も漢検英検それぞれ2級は持っているけれど、実際そんな役に立つかと言えば……。
とはいえこれらは国家資格であったり、受験に通学が必須なものばかり。
なので一度はやはりネットで調べるなり資料を請求してみるなりして、中身をしっかり知ってから判断しよう。


文責:七文

更新日:2017年3月8日(水)15:00