歯科技工士の勤務環境、労働時間

歯科衛生士の勤務環境、労働時間

◆納期には残業がつきもの?

厚生労働省の平成25年度の賃金構造基本統計調査によれば、平均年齢36.7歳で勤続年数10年とした場合の平均的な労働時間は月間178時間、超過時間である残業は月間19時間程度となっている。
ただこれはあくまでアンケート上の結果であり、歯科技工士の勤務時間の実態はさらに厳しいとされているんだ。 なぜなら、歯科医院からの依頼に合わせて注文の納品日に合わせなければならないから。時間外であっても長時間残業をしなければならないことも多いのが現実というわけだ。
とくに歯科医師からの信頼が厚い、繁盛している歯科技工所であればあるほど急ぎの仕事も多くなり勤務時間が長めになる傾向が強いとか。ひいきにしてくれるのは嬉しいけれどなんとも複雑……。
なかには残業時間が100時間を超えるなんていう恐るべき現場も……?

◆休日はしっかりとれる?

独立開業して歯科技工所を持ち社員を雇った歯科技工士であったとしても、自身も作業に参加することも多く休みもなくなることがあるらしい。
日本歯科技工士連盟の資料によると、歯科技工所のうち週休二日制(完全含め)を導入しているのは全体の40%にも満たない一方、週休一日制が続いている事業所も4分の1ほど存在しているとか。
また、歯科医院は水曜日や木曜日が休みであったり土曜日は半日診療だったりするので、歯科技工所もそれに合わせて休日をシフト制にしたり休みを振り替えたりして対応しているみたいだね。
朝も早出が多かったり夜も遅くなったりと労働時間の面では大変。
コツコツと作業することが苦でない人でないと、歯科技工士として働くことは厳しいと言えるかもしれないね。

◆その他待遇

他にはほとんどの医院では交通費や残業代は当たり前として、家賃補助や資格手当といった比較的手厚い制度のある医院も珍しくはない。スキルアップや転職のことを視野に入れておく環境としてはかなり優れていると言える。
また各保険はもちろん指定のものに加入できるとは思うけれど、中には健康保険など個人で入っておく必要がある場合もあるので、しっかり自身で確認しておこう。
基本的に医療系の仕事においては待遇は悪くない。ただし小さな個人店レベルではなかなか首が回らないこともあるので、やはりしっかりと確認しておくのが大切なことということだね。

◆歯科技工士の一日例

大きな歯科技工所になると営業担当がいる場合もあるけれど、小規模な技工所では歯科技工士さん自ら取引先の歯科医院を回るのが一般的。
営業活動には仕上がった歯科技工物の納品をはじめ、新しい注文を受けるため歯型を取った模型を回収したりするんだ。
営業周りで患者さんと触れ合うことは基本的にないけれど、複雑な依頼を受けて実際の患者さんの口内の様子を確認させてもらう必要があるときや、装着するときの印象を聞く場合に立ち会うことがある。
また、歯の色調を記録する必要があるときにはデジタルカメラで撮影したり目でチェックしたりして患者さんの希望に沿っているか確かめながら要望を引き出していく。
普段、患者さんと出会うことがない歯科技工士にとってダイレクトに生の声を聞くことができる貴重な機会なので、無駄なく漏れなく対応したいところだね。
歯科技工所に帰ると、受けた注文の仕事をただひたすらにこなしていく。
最近は噛み合わせを重視する傾向にあるので、とくに理論的なことからしっかりと組み立てて仕事をしていこう。 また、患者さんの年齢や性別をチェックして、入れ歯や義歯が浮き立たないように最新の注意を払いながら制作を続けていく。
その他にも、歯科技工の講習を受けに行ったり、一般市民向けの啓発運動に携わったりも仕事のうちだね。

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