声優分野の特徴
◆声優とは
声優の仕事というとまず何を思い浮かべますか?アニメの声を想像した人も多いのではないでしょうか。
声優の仕事には、もちろんアニメのアフレコもありますが、そのほかに、外国映画の吹き替えや、ゲームのキャラクター、ラジオのパーソナリティ、ナレーション、舞台公演など・・・、最近では歌手活動をすることも当たり前になってきました。
舞台出演やメディアへの出演など、表舞台に立つことを俗に「顔出し」といいますが、最近ではそういった活動をメインにして歌手やアイドルのように活動する声優も増えました。
声を使う仕事だけでなく、ビジュアルを売りにして活動をする場合はインタビューや写真集などで写真撮影をすることもよくあります。
このように、現在では声優の仕事はエンターテインメントの中でも多岐に渡るのです。
声優は、プロダクションに所属している人がほとんどです。「下積み時代」ともいえる、“預かり所属”中には、仕事の案件ごとに自分でオーディションを受けて仕事を取っていきます。“正所属”になるとマネージャーがついて定期的に仕事をもらえることもありますが、“正所属”できる可能性としてはかなり低いと考えた方がいいです。
◆声優に向いている人
【感受性が豊か】
声優は、声で人の心を動かす仕事です。
脚本から自分の声だけを武器にしてキャラクターに命を吹き込んだり正確なナレーションを行うことで、見る人に分かりやすく伝えることが重要になります。他人の喜怒哀楽を引き出すには、まず自分がちょっとしたことでも興味を持ち様々なことに感動出来るかどうかが大切になります。読み取る感受性とそれを的確に表現するための表現力がもめられます。したがって、物事を表現するのが好きな人は声優に向いているといえるかもしれません。
逆に言って、物事に対して冷めた見方しか出来ない人はあまり向いていないということになります。
【意思が強い】
声優は、一般的にみて稼げる仕事ではありません。近年、メディアに声優の露出が増えたことによって、華やかな業界だと憧れを持つ人も多いかもしれません。しかし、実際にメディアに出ているような、声優業のみで生活をしていける人はほんの一握りです。多くの人は副業としてアルバイトをするなどして生計をたてています。それでも「絶対にいつか声優として成功する」という強い意志を持ち続けられる人でないと、声優としてやっていくのは難しいでしょう。
下積みとしてやっていく根気の良さと、絶対に夢を諦めないという強い意志の持ち主でしたら、声優は向いているといえます。
◆声優になる方法
声優になるためには、声優事務所(プロダクション)に所属する必要があります。はじめの、『声優とは』の項目で書いたとおり、事務所に所属して始めてプロへの第一歩となります。
その前段階、「声優になりたい!」と決めてからはじめにすることは、養成機関で学ぶことです。
なせかといえば、声優として活動していくにはまずプロダクションに所属しなければならず、プロダクションは、声優養成所や声優コースのある専門学校の卒業生を採用することがほとんどだからです。
こうしたことから、声優の専門学校や養成所で声優として腕を磨き、卒業後にプロダクション所属という流れが一般的になっています。
声優の養成機関は、プロダクション付属の養成所のほか、劇団付属の養成所、また専門学校や各種スクールなど様々なものがあります。養成所や専門学校で、だいたい1~2年程度のレッスンを受け、声優に必要なスキルを身につけていきます。
養成所や専門学校などの養成機関を卒業したからといって必ず声優プロダクションに所属できるわけではありません。
在学中に努力をして実力を高めることで、卒業後のプロダクションへ入所するためのオーディションに受かる可能性を伸ばす必要があるのです。
◆声優の専門学校と養成所の違い
声優になりたい!と思ったらまずやることは、専門学校か養成所に入ることです。しかし、声優の専門学校と養成所はどのように違いがあるのでしょうか。
専門学校は、声優になるための技術を磨く訓練校のようなものです。一方養成所は、ほとんどは声優プロダクションが運営しています。
大きな違いとしては、入所・入学にオーディションがあるかないかです。専門学校は受け入れる人数も多く、入学しやすいのが特徴です。養成所では、入所のためのオーディションがあり、オーディションに合格しないと入所できません。入りやすさでいえば、専門学校のほうがメリットがありますよね。養成所のメリットとしては、自分の入りたいプロダクションの養成員になれるというところです。
次に、声優の専門学校には「全日制」が多く、また、2年制のところも多いです。なので、声優になるために必要な技術を基礎からじっくりみにつけることができます。そして、認可校であれば卒業と同時に「専門学校卒」の学歴が認められるのです。養成所はただの訓練機関なので、修了しても学歴にはなりません。また正式な専門学校として認められていない無認可校も学歴にはならないので注意しましょう。
では、デビューのしやすさはどうでしょうか。
入りたいプロダクションが決まっているのなら、断然そのプロダクション運営の養成所がオススメです。
しかし、まだ入りたいプロダクションを決めていない人や、選びきれない人は、専門学校に入学しましょう。養成所とは異なり1つのプロダクションに縛られないため、より多くのプロダクションを選択肢としてもてます。また、専門学校にもそれぜれプロダクションにコネクションを持っているので、そこも加味して専門学校を選ぶといいでしょう。
しかし、どちらがデビューしやすいかというのは、結局は本人の努力と技術力次第なので、自分のスタイルにあった専門学校や養成所を選ぶのがベストだといえます。
◆声優の給与・年収について
声優で売れっ子になれるのは一握りというのは、言うまでもないですよね。
声優の仕事はさまざまで、また、報酬も人によって大幅に差があります。年収が5,000円なんて人もいれば、超売れっ子になると数千万にまでなります。
デビューしてからもジャンルを問わず受けられる仕事はどんどん受けましょう。コツコツと実績を重ねて信頼を得ることで、大きな仕事に繋がっていくこともあります。信頼されて仕事をうけていくことが、声優業界で生き延びる秘訣といえます。
◆声優専門学校を選ぶときに注意すべき点
声優になるための学校を選ぶのに注意するポイントは4つ。
1、授業内容
2、授業時間
3、デビュー・所属実績
4、学費
この4つのうちすべてが重要です。自分のスタイルや目的に合っていないと、入学・入所してから後悔してしまいますよ。
1の授業内容については、基礎知識からじっくり教わりたいのか、実践的な授業を中心で学びたいのかということ。
2の授業時間については、何年制で、週何回、何時間で学びたいのか。
3のデビュー・所属実績については、卒業後どこの事務所に所属したいのかを実績から想定できます。「自分の目標とするプロダクションに入るためのコネクションはあるかどうか」や「人気声優を近年輩出しているかどうか」がポイントになります。
4の学費については、1~3までの項目を気にして通う学校を選んでも、学費が払えなければ意味がありませんよね。各校それぞれに奨学金制度もあるのでよく調べておきましょう。
専門学校の学費の相場は年間120万~130万円くらい、養成所は年間50万~80万円くらいです。
もちろん、学費だけで学校を選ぶのもナンセンスです。あくまで声優デビューが目的であることは常に意識して学校選びを行いましょう。