公務員・事務とは
◆公務員とは
【公務員の特徴】
「公務員」というと、あなたはどういった職業を想像しますか?
市町村役場の人、国会議員、警察官、消防士、学校の先生・・・。実は身の回りにとても多くの人が公務員としいて働いていています。
公務員とは、国や地方公共団体に従事する人のことを指します。
民間企業とは違い、国民が納めている税金を元に活動をするということも、公務員の大きな特徴です。
【公務員の仕事】
公務員は、国民や市民社会と関わる仕事を幅広く行います。
国民の生活をよりよくしていくことが公務員の仕事の基本であり、その目的を遂行するために、幅広い部署と仕事内容があります。
身近なところでいうと、警察官や消防士、教師という職業も公務員です。一方、東京にある省庁では国家レベルの大きな仕事に取り組んでいます。国や地方公共団体の政策に深く関わることから、働く機関によっては影響力が大きな仕事が出来るかもしれません。
また、一人ひとりの仕事の社会に対する影響力が多いので、責任も重大ですが対価も保証されます。安定した年収が得られるので、安定志向の最近の若い世代にも人気の職業です。年功序列で給与が上がる傾向にあり、若いうちは会社員よりも給与が低い傾向にありますが、続けていれば高い収入も期待できるのです。
◆国家公務員と地方公務員の違い
日本では、全国で約333万人が公務員として働いています。その職種は多種多様で、ひとくちにはくくれません。
公務員という仕事には大きく分けると2種類あります。それは「国家公務員」と「地方公務員」です。
「国家公務員」は国家公務員試験(総合職・一般職・専門職)を受験してなることが出来ます。転勤を伴いますが、やりたい分野の仕事に携われる可能性が高く、中央官庁や出先機関で働くことも出来ます。具体的に、政策立案、予算編成、法令整備、国会対応、統計調査、など、国家の運営に直結する大きなプロジェクトに関わります。
「地方公務員」は地方公務員試験を受験して資格を得ることが出来ます。この試験は、基本的に「上級(大卒程度)」「中級(短大卒程度)」「初級(高卒程度)」に分かれており、採用後は、さまざまな部署を経験しながら特性に合わせた職場に就きます。
転勤の範囲は限られますが、部署間の異動は頻繁に実施されます。県庁や市役所の職員だけでなく、警察官や消防官といった公安系職種のほとんどは地方公務員に含まれます。
地方公務員と国家公務員との一番の大きな違いが、地方公務員は採用された地方公共団体の運営にかかわることが仕事内容であるのに対して、国家公務員は国家全体の運営に関わるのが仕事内容である、というところにあります。
地方公務員は、地元のために何かしたいという人には魅力的なお仕事です。
◆独学で公務員になれるか
結論から言うと、独学でも公務員になれないことはないですが、基本的には公務員専門学校や予備校に通って勉強するのがベストです。
地方上級試験の合格までの勉強時間の目安として、「1500時間」というのがよくあげられます。1500時間というと、1日4,1時間を1年間休みなしで勉強するという計算になります。あくまで目安ですが、地方上級試験の科目は約30もあり、一定の勉強量はやはり必要になります。
これを考えると、勉強の習慣がまったく身についていない人の場合などは、独学で試験合格するのはなかなか難しいということになります。
アナタにもし毎日勉強し続けた経験があったなら話は違いますが、毎日続ける自信がないのなら、環境をかえる=専門学校や予備校に通うのが手っ取り早いといえます。
何かひとつのことで最短最速を極めたいのなら、「環境をかえて、いい指導者に教わること」がとても重要になります。
また、独学でもそうでなくても重要なことは、高得点で試験合格した人の話を聞いてみることです。
勉強方法などを真似て実践してみるのもひとつの手段になります。専門学校などの同じ目標をもった人が集まるところには情報も集まりやすいです。
先生から話を聞いてもいいですし、OB,OGの人から話を聞く機会が得られるかもしれませんね。
様々なメリットがある専門学校というものがあることを考えると、独学よりは学べる環境に身をおくのがオススメです。
◆公務員専門学校とは
上記の通り、公務員試験の合格者の殆どは、専門学校や予備校の公務員講座を利用しているといっても過言でないくらい、専門学校は多くの受験生が試験最短合格のためにこの方法を選びます。
専門学校では、長年の実績から試験問題の出題傾向のデータなどを分析して最新の試験傾向を加味した指導を行ってくれます。
また、独学では難しい面接対策や、論文対策などをプロの講師にしてもらえるなど細かなサポートが専門学校などの最大のメリットといえます。
効率よく公務員試験に向けて勉強を進めるなら、専門学校などの公務員講座が圧倒的に合格への最短ルートです。
さらに専門学校のメリットは、働きながらでも、ほかの勉強をしながらでも通えるように夜間コースや午後コースがあることです。
大手の予備校であれば、WEB上やDVDなどのラーニングサービスも提供しているところが多く、急に予定が入って専門学校を休んでも後日改めて学習できます。
1年で学ぶコース以外でも、じっくり学習していく2年コースもあり、コースに幅があるのも助かりますよね。
自分のスタイルに合った学び方が出来るので、専門学校はオススメです。
◆公務員の給与・年収について
「収入が安定している」といわれる公務員。年収や給与は実際どのくらいなんでしょうか。
また、同じ公務員でも、「国家公務員」と「地方公務員」ではどのくらいの差があるのでしょうか。
まずは国家公務員から。国家公務員は役職に「級」が定められています。また、職務経験によって「号俸」が決められています。この級と号俸によって給料が定められているのです。この号俸に諸手当が加えられたものが給料となります。
人事院が公開している「平成28年国家公務員給料等実態調査の結果」の「職員数、平均年齢、平均経験年数及び平均給与月額」によると、一般行政職の平均給料月額は41万984円となっています。
そして平均年収は約670万円。この金額だけ聞くと、そこそこもらえてるように思いますが、この年収になるのは実際のところ40代になった中堅以上の人の年収金額で、若手の頃はそこまで高くないようです。
全地方公務員の30歳年収467万円をベースに考えると、30歳地方公務員の手取り年収は約350〜374万円です。この額は、一流企業に比べれば低いです。一方、中小企業との比較では高い部分もあるでしょう。
◆公務員のメリットデメリット
公務員になることで、いい面もあれば、あまりよくない面もあります。今回はその両側面から、公務員という仕事をご紹介します。
まずはメリットから。
第一に挙げられるメリットはやはり給与面です。景気の変動などに関係なく給料やボーナス(期末・勤勉手当)が保証され、よほどのことがない限り解雇もされない公務員。その身分の安定性から、就活生には毎年人気の職種です。
このほかに公務員は、倒産やリストラの恐れがないため、労働者が望むのであればほとんどの場合定年まで働くことができます。これら賃金と雇用の安定が公務員の大きなメリットです。
さらに、福利厚生が充実していることも公務員のメリットといえます。
公務員は、民間企業や国民の手本となる職業でなくてはならないので、福利厚生が充実しています。なぜかといえば、国が民間企業に残業を減らせといったところで、公務員が過度な残業を強いられたりしていては示しがつきませんよね。
現在の公務員は介護や子育てに対して手厚い福利厚生があります。また、有給休暇についても、公務員はしっかりと与えられています。
病気休暇に関しては、医師の診断があれば原則90日取得が可能であり、この間は給与が100%支給されます。このほか、介護、ボランティア、産前産後、保育、男性の育児参加など、民間ではあまり取れないような特別休暇が付与されます。
まだあります。公務員は社会的に信頼があり、ローンを組みやすいのです。よほどのことがない限り、公務員はローンを組むことがありません。家を建てたり、お金を借りるにも審査が必要ですよね。その際、この公務員という職業が大変有利になるのです。
人生設計を考える上では、とても大事なポイントといえますよね。