酪農家になるためにはどんな方法がある?具体的な仕事内容は?ぶっちゃけ収入ってどれくらい?

酪農家という仕事について掘り下げて解説!

◆酪農家の仕事内容

酪農家と言うのは畜産業の中でも主に生乳の生産と乳製品の加工を生業としている方たちだ。
美味しい牛乳やバターやチーズを家庭に届けてくれる、欠かせない職業だよね。
乳搾りは毎日決められた時間に「ミルカー」という搾乳機を使って朝晩2回行うのが通例。
そして良質な生乳を作るために乳牛の健康管理を徹底し、牛舎の掃除や餌づくりも欠かせない酪農家の重要な仕事だ。
エサとなる牧草の栽培も酪農家が行うのが基本。
春に堆肥を蒔いて秋の収穫まで牛の世話と並行して行うよ。
栄養価の高い餌を作れるかどうかというところも酪農家の腕次第だ。
また、乳牛は子どもを産まなければ乳を出さないので、年に1回お産をさせる必要がある。
なので人工授精の手配や難産の際の補助も酪農家として出来なければいけないね。

◆酪農家になるには

まずは酪農に関する専門的な知識や技術を修得することが必須なのは間違いない。
そのためには農業系の学校に進学するか、実際に牧場に就職して学ぶかの方法を選ぶことになるね。
農業系の学校では家畜の衛生学や管理のほか、乳搾りなどの研修も行うことになるね。
牧場に就職する場合は見習いとして住み込み、乳搾り、エサやり、牧草作り、トラクターや農機具の扱い方などの酪農の基礎から応用までみっちり現場で働きながら学ぼう。
加えて経営の知識も必須となる。これはなかなか学校ではカバーしきれないので、牧場に就職して、経験を積みながら学ぶことになるね。農業系の学校でも講義は行う場合があるから、ぜひ参加しておこう。
人手が足りない分、未経験者、無資格者の受け入れに寛容な業界ではあるけれど、関連する資格を持っていると心強いね。
特に家畜人工授精師の資格を持っていると牛の人工授精、受精卵の移植を行うことができる。わざわざ獣医師さんを呼んで対応してもらっているところも多いので、牧場で対応できるなら経費削減にもなるね。
家畜人工授精師は所定の講習を受け、修了試験に合格することで取得が可能。難易度はさほど高くないので在学中に狙ってもいいね。
その他にも、トラクター等の農業機器や普通自動車免許の他、大型免許を持っていると就職後に即戦力になれるはず。

酪農家として、自身が経営者として新規参入することを考えている場合はまずどこかの牧場で最低3年は修行をし、農業系の学校で開講される新規参入者のための基礎研修を受講し、農地の選び方や搾乳技術、農業簿記を学ぶこととなる。
また開業にあたっては用地と自己資金が必要だね。
地域によって差があるけれど、牛舎などを建てる際の頭金、また収入が安定するまでの当面の生活費として最低でも500万円は想定して用意しておくと万全だね。

◆酪農家の適性

動物が好きであることは言うまでもなく、ただ酪農家の仕事はそれだけで務まるものではない。
牛はとても神経質で時間に正確であり、乳搾りやエサやりなどを決まった時間に行わないとすぐにストレスがたまってしまう。そしてストレスは病気の元にもなるね。
病気の他、出産の際も寝る間を惜しんで見守らなければいけないね。
自身の休みはほぼないと思ってもいい。牛中心の生活を送る覚悟があるかどうか、志す前に一度自分と相談しておく必要がありそうだね。
また根気のある人でないと牛との生活は成り立たない。
わずか50メートル先の牛舎に移動させる際も途中に暴れたり、立ち止まって動かなくなったり、まったく別の方向に進もうとしたりなど身体の大きい牛を思い通りに動かすことは相当に難しいこと。
このような時、叩いたり大声を出したりすることは絶対にしてはいけないこと。気長に信頼関係を築いていくほか方法はないんだよ。

◆酪農家の収入

酪農家の収入は主に生乳なので、市場価格によって変動するんだ。
また搾乳できる量も時期によって変わってくるため、年間を通して収入の多い月と少ない月が出てくるのは仕方ないね。
また牧場の規模もまちまちであり、保有している牛の頭数も異なるので全体の平均値はなかなか算出できない。
乳牛1頭当たり1日平均約27L搾乳できて、加工用の生乳は輸入品との競合で価格が下落することもある。
でも飲料用の生乳であれば需要が安定しているので、年収で見ると一般的なサラリーマンを上回る酪農家も少なくないよ。
しかし収入の7割がエサ代や管理費、生産費として使われるので、実際に手元に残る金額は300~650万円ほど。
そこからもリース料金や用地のローンなどを返済していくことになるので、余裕があるとは言えないね。
酪農家の中には牧場経営自体は小規模で行って、他の農業などと兼業しているところも結構あるみたいだね。

◆酪農家の将来性

現在日本では約26600戸の酪農家が全国で活躍しているよ。
酪農技術の向上により大規模な酪農経営も可能になってきたので、一戸あたり平均60頭ほどの乳牛が飼育されている計算になる。
その一方で、跡継ぎ不足や生乳価格の低迷などで離農の道を選ぶ人も多く、年間200戸以上の牧場が廃業しているという現状もまた事実。
そこで期待を集めているのが、新規参入者を呼び込むために誘致、支援を行うこと。
なのでこれから酪農家を目指す人にとっては良い環境であると考えていいかもしれない。また酪農ヘルパーの募集は常時あるので、経験を積むのには困らない環境だね。
飲用の生乳は鮮度の問題から現状輸入が難しいので、需要がなくなることはまずないと思っていい。ただ北海道に多い加工用の生乳は輸入品との競合がどうしても避けられないね。
ただしやっぱり国産生乳のブランド力は何にも代えがたいもの。独自の商品開発や広報活動次第で大きく利益を伸ばせる可能性もあるよ。

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